愛情とは何か?「愛している」の意味。

愛情とは何でしょうか。誰かのことを好きになったときにこれが愛情なのかなと感じることがあります.でも、いざ言葉にして表現してみようとするとなかなかうまくいかないもの。

今回は、この永遠のテーマである「愛」について詳しく研究しています。最後は、皆さんへのプレゼントとして、男女の永遠の愛情をどうやったら作り上げられるかというところまで、深く追求していきたいと思います。

 

「愛している」は色んな意味を持つ

「愛情」同じように良く語られる「愛している」という言葉、この言葉も同じようになかなか説明しづらいものです。特に「愛している」という言葉は、その状況によって様々なニュアンスを持ちます。

 

付き合いたての熱烈なカップルが言う「愛している」と長年連れ添った老夫婦が言う「愛している」はなんとなく意味が違うのは分かりますね。今回は愛情について愛と感情の観点から紐解いていき、男女の愛情を科学的な根拠とともに探っていくことで、恋愛にも段階があることをお伝えします。

 

そして、恋愛の段階をきちんと知ることで、各段階で恋人たちが語らう「愛している」の意味もお伝えしていきます。「愛」について知りたい方はこちらの記事愛って何? 愛の意味に迫る)も一緒にご覧ください。

 

愛情とは「大切にしたい」という感情である。

まず、愛情とは何なのでしょうか。これは、結論からお伝えしましょう。愛情とはその名の表す通り、「愛する感情」であるといえます。愛するというのは「大切にする」と読み替えてもよいでしょう。

 

同様に、感情は「特定のものに対して一時的に抱く気持ち」と表現することができます。ここでいう一時的というのは1~2時間や2~3週間という短い時間を指すものではありません。どちらかというと「永遠ではない」「いつか終わっても全く不思議ではない」というニュアンスのほうが正しいかもしれません。

 

つまり、愛情は「特定のものを大切にしたいという一時的な気持ち」と表現することができます。このことを前提に「愛情」について、感情と愛の2つの面から考えていきましょう。

愛の観点から考える。

まずは「愛情とは愛の一種である」という観点から考えてみましょう。愛情のことを知るにあたってまず対比されるのが「愛」でしょう。何かを理解するときには似たような何かと比べて考えてみることはとても有効です。

 

ここでいう「愛」とは、私たち人間が抱く一般的な愛というよりも、神様的な愛、「博愛」(アガペー)のことを示します。博愛の「博」は博覧会の「博」であり、「なんでも」という意味を持ちます。つまり、「博愛」というのはすべてのものに対して広く行き渡る愛、東洋の思想でいうところの平等愛のことです。

 

しかし、私たちが「愛情」というとき、この「博愛」のことを指すことはありません。私たちが「愛情」というとき、それは相手になる何かがあるものです。つまり、「博愛」とはえこひいきしない愛のことであり、「愛情」とはえこひいきのある愛なのです。

 

まずは、この点をしっかりと切り離しておきましょう。また、愛情というのは一人一人の個人が何かに対して抱くものであり、きわめて個人的なものです。例えば動物が好きな人は動物に愛情を注ぎますが、動物が嫌いな人は動物には愛情を注ぎません。

 

このように、愛情というのは、一人一人が持つえこひいきのある感情であるということをしっかりと押さえておくことが大切です。

【ポイント】愛情とは個人個人が持つ「えこひいきがある愛」である。

感情面から見た「愛情」

続いて、「愛情とは感情の一種である」という視点で考えてみましょう。先ほどもお話ししたとおり、感情にはいくつかの特徴があります。

 

  • ある特定のものに対して向けられるものである
  • 一時的なものである
  • 高まったり収まったりなどの変化がある

 

確かに、愛情にはこれらの性質があるというのはうなづけるでしょう。愛情は特定の対象に向けられるものです。また、感情には波があります。感情は簡単に高まったり収まったりするものなのです。出会ったときには情熱的に大好きだった彼のことも、波が引けば ほどほどに収まるのも、愛情が感情の一種だからです。

 

反対に、相手のことが嫌だなと思ったとしても、その感情も時間がたてばおさまります。そう、私たちが永遠だと思っている愛情も「収まる」ものなのです。よく、「愛情は3年しか持たない」「3年目の浮気」という言葉を聞くように、愛情には賞味期限があるというのが最近の研究で分かっています。

しかし、本当に「永遠の愛」というものはないのでしょうか?私たちは長年連れ添っている仲の良い夫婦を知っています。それは愛情ではないのでしょうか?ここからは、一般的な愛情ではなく、男女の関係における愛情について科学的に見ていきましょう。

 

愛情は1年半で消えてしまう?

私たちは熱烈な恋愛をしたときに、この「愛は永遠だ!」と考えてしまうものですが、実際はなかなかそういうわけには行きません。実際に人の恋愛感情はどれぐらいに持続するのか?ということをテーマにイタリアのピサ大学でマラツイティ博士がある実験を行いました。

 

マラツイティ博士は恋愛中の人々を対象に恋愛中に大量に発生するセロトニンという物質の量を継続的に検査し、セロトニンの量によって恋愛がどれぐらい続くのかを調べました。その結果、恋愛中の被験者はおおよそ12カ月から18カ月の間にセロトニンが減少するということが分かりました。

 

つまり、セロトニンを放出するような恋愛は1年半で終わってしまうということです。なぜ1年半でこの恋愛は終わってしまうのか?それは、生物学的には恋愛をして子供を作るまでには1年から1年半もあれば充分であり、子供を作った後は別のパートナーと子孫を残したほうが生き残り戦略として有効だからです。

 

つまり、この実験では子供を作るまでの愛情はもって1年半と結論付けているのです。また、この実験では1年半を超える関係は愛情ではなく「愛着」であるとしています。このことは「だから、男と女はすれ違う」という本紹介されていますので、もっと詳細を知りたい方は実際に本を読んでみてください。

さて、今まで見てきた実験で出てきた恋愛は 確かに愛情の一つといえるものかもしれませんが、どちらかというと「恋」に近いものといえるかもしれませんね。実際にここでは、「子供を作るまでの愛情」という限定条件を付けています。

 

「愛情は1年半で終わる」といわれると納得はできないかもしれませんが、「恋は1年半で終わる」といわれると、なんとなく腑に落ちる方もいるのではないでしょうか。

付き合い始めの「愛している」の意味

恋愛の初めの段階、付き合ってしばらくでいう「愛してる」の意味。それは、生き物としてパートナーを求めている段階でもあります。それを踏まえて、「あえて愛している」の意味を決めるとすれば。次の通りです。

「君が欲しい」

では、つづいて、別の研究を見てみましょう。次の研究では愛情は4年間は持続するという主張をしています。

 

恋愛感情4年説

アメリカの人類学者ヘレン・E・フィッシャーは自身の著書の中で愛情は4年間しか持たないということを主張しています。これは「愛情3年説」にも近いですね。どれだけ愛情を持った恋人であっても、4年半を過ぎると恋を司る脳内物質「βエンドルフィン」の分泌が極端に減ってしまうそうです。

 

詳しいことを知りたい方、実際に本をご覧頂いたほうが良いかと思います。

この本は、一時世界的な大ベストセラーになったので、ご覧になった方も多いかと思いますが、この本が触れている愛情について、かいつまんで説明をすると次のようになります。

 

動物としての人間は、4年間もあれば恋愛をし、子供を産み、子供も何とか歩いて食べ物を見つけられるぐらいには成長する。子供が何とか生きていけるようになれば、子供を育てる必要はなくなるので、親はわざわざ一緒にいる必要はなくなる

繁殖戦略としてはいろいろなパートナーと子供を作ったほうが、子孫を残せる可能性は高くなるので4年ごとに別のパートナーを見つけたほう良い。

 

確かに、このように説明されると生物戦略としては4年ごとに愛情がなくなってしまうことは納得できます。また、恋愛中に脳内で分泌されるドーパミンという快楽物質は「あの人をパートナーにしたい!」という強い情動とそれを実現するための行動力を生みます。

 

仏教ではこの強い情動と行動力が自分を成長させてくれることを愛染明王の導きとしてとしているのですが、科学的な手法のない時代からこのような教えがあるのはとても興味深いですね。

 

しかし、ドーパミンが大量に出ている状態は体に大きな負担をかけてしまいます。ですので、肉体的に長くこの状態を続けることはできません。「誰かを好きになったときの、あの熱烈な思い」はあくまでパートナーを獲得し、子供を独り立ちさせるまでのものです。

 

あの気持ちををずっと持ち続けると少しづつ体が壊れていってしまうのです。では、人間は動物である限り4年以上愛情を持ち続けることはできないのでしょうか。いえ、そんなことはありません。

 

最近の研究ではずっと愛情を持ち続けることは決して不可能ではないという研究結果が出ています。その前に、愛情がなぜ終わってしまうか?について、脳の仕組みについて少し勉強してみましょう。

熱烈な恋愛の後自動的に頭は冷える

パートナー獲得競争と最低限の子育てが終わると、ドーパミンの放出が一時収まります。そして、ドーパミンの放出が収まった後は、脳の前帯状回皮質という部分が働き始めます。ここは、感情の処理と学習・記憶・無意識の整理整頓を行い、行動抑制をする場所です。

 

帯状回は大脳辺縁系の各部位を結びつける役割を果たしており、感情の形成と処理、学習と記憶に関わりを持つ部位である。また前部帯状回(後述)は、不適切な無意識的プライミングの抑制に必要な、実効制御(executive control)と関わりを持つことが知られている。

Wikipedia

 

つまり、簡単に言うとこの前帯状回皮質は私たちに「頭を冷やせ」と言ってくれる部位なのです。この部位が働き始めると、恋愛で熱くなっていた脳内が急に冷静になり、改めてパートナーのことを見つめなおすタイミングになります。

 

ポイントは、この頭を冷やした後の状態でも、相手のことを好きでいられるか? それが愛情を持ち続けることができるかどうかの分かれ道なのです。そして、このポイントを乗り越えなければ、永遠に続く愛情を得ることはできません。

1年半~4年目の「愛している」の意味

では、この段階でいわれる「愛している」には、どういう意味があるのでしょうか。「あなたのことが欲しい(愛している)」と言っていたパートナーは、すでにあなたを手に入れています。ここで、あえてこの「愛している」の意味を求めるとすると、次のようになるでしょう。

「君と一緒にいたい」

では、続いて、永遠の愛を紡ぐカギとなるホルモン「オキシトシン」を紹介します。

愛情のカギ「オキシトシン」

さて、今まで恋愛のホルモンとしてセロトニン、βエンドルフィン、ドーパミンを紹介してきました。これらは基本的に恋愛中のふわふわした気持ちや、ドキドキした気持ちなどを生み出すホルモンです。

 

しかし恋愛にかかわるホルモンはこれだけではありません。近年、恋愛にかかわる脳内物質として、最近「オキシトシン」というホルモンが注目されています。

 

オキシトシンは「愛のホルモン」「幸せホルモン」「絆のホルモン」とも呼ばれており、痛みを和らげ、不安を解消し、幸せをもたらせてくれるうえに、コミュニケーション上手にもなるという夢のようなホルモンです。

 

オキシトシンは愛や信頼、絆で結ばれた人間関係には必ず存在していると言われており、近年、とても注目されている物質です。例えば、赤ん坊を持つお母さんや、信頼しあっているペットと主人、一緒にいて安心できる夫婦の間では必ず放出される物質です。

 

先ほどご紹介した前帯状回皮質のジャッジを超え、素晴らしいパートナーとしてお互いを受け入れたカップルは、お互いのことを家族と認め始めます。この時、二人の脳内では「オキシトシン」が分泌されるようになります。これは、愛情というよりも「愛着」というイメージのほうがぴったりくるかもしれません。

 

オキシトシンは燃えるような愛情をもたらすものでもなく、二人でまったり過ごすような幸せな時間を私たちにプレゼントしてくれます。このオキシトシンが分泌されている状態が生物学的に「愛情」を持っている状態であるといえます。

 

また、このオキシトシンは男性の浮気を抑制するという効果も報告されています。つまり、オキシトシンが出ていれば、破局の大きな理由である「浮気」を防ぐことができるのです。オキシトシンが十分に出た状態では、「私には最愛の人がいるから、ほかの女性は必要ない。」と本能的に反応してしまうのですね。

 

オキシトシンには「好きな人と接することで、分泌が促される」という特徴があります。つまり、一度好きになってしまえば、次のサイクルが成り立つということです。

 

好きな人と接する→オキシトシンが出る→好きになる→好きだから接する→オキシトシンが出る→もっと好きになる→・・・

 

これは、今までご紹介してきたホルモンとは全く違った反応です。今までのホルモンでは、誰かを好きになることはあっても必ず終わりが訪れました。

 

しかし、オキシトシンは好きな人と接する限り、決して終わりが訪れることはないのです。

 

たとえ、愛情が一時的に消えてしまう感情であっても、それを何度も何度も繰り返し確認することで、永遠の愛を育てていくことができるのです。

 

接するというのは、キスをしたり、抱き合ったり、手をつないだりというスキンシップや、互いを見つめあったり、プレゼントをあげたりなど、「愛されているな」と感じられる行動のことを言います。

 

しかし、オキシトシンを出すうえで大切なことは、接する相手が家族や、友達、恋人などの「好きな人である」ということです。

 

大好きな彼氏が頭をなでてくれたとき、とても幸せな気分になりますよね。この時にオキシトシンが大量に放出されているのです。しかし嫌いな人や特に何とも思っていない人から頭をなでられても、ちょっと嫌な気分になるだけで、オキシトシンはこれっぽっちも出ません。

 

同じことをされたとしても、嫌いな人からのアプローチであれば何の意味もないのです。ちなみに、「友達としてはありだけど、恋人として意識するとNG」という人はからの接触ではオキシトシンは出ません。

 

ですので、もしあなたが意中の友達を少しづつ口説きたいと思うなら、まずは恋人を意識させず、友達としてどんどん接することがおすすめです。

 

また、特に家族も恋人も、普段接することができるような友達もそんなにいないなぁという人は、ペットを触れ合うことでもオキシトシンは放出されます。ただ、ペットもいないしな…。という人は、最近は通販でもオキシトシンを売っているようなので、探してみてはいかがでしょうか。

4年目以降の「愛している」の意味

さて、この段階での「愛している」とはどういう意味になるのでしょうか。今まで読んできてくださった方は、もうわかりますよね。ここで言う「愛している」は次の通りです。

「君は私の家族だよ」

永遠の愛の育て方

さて、ここまでは愛情を科学の観点から見てきましたが、実際にパートナーと愛情を培うにはどのようにすればよいのでしょうか?それを知りたいですよね。ここからは今まで見てきた脳内のメカニズムをもとに長くつづく愛情を培う方法をお伝えします。

 

やることは簡単、次の3つだけでOKです。

  1. パートナーとたくさんの楽しい思い出を作る。
  2. 相手が失望してしまうようなことは絶対にしない。
  3. 相手と積極的なふれあいを続ける。

 

まず、パートナーとの恋愛期間(1年半~4年間)にできるだけ多くの思い出を作るようにします。この間にパートナーとあなたの間の絆を深めましょう。ここで大切なのは「思い出を作ること」です。

 

最長で4年を過ぎると、二人の間に脳のジャッジタイムが訪れます。ここを切り抜けられるかどうかがポイントです。この時、脳は何をもとに判断するかというと、”今までの記憶”つまり思い出です。思い出が多ければ多いほど、このジャッジタイムを切り抜けられる可能性が高くなります。

 

特におすすめなのが「二人でトラブルを切り抜け、幸せをつかんだ」という思い出です。

 

この思い出があると、脳は「この相手は何かトラブルがあっても、それを乗り越え私のことを幸せにしてくれる」と認識します。これは恋愛ジャッジのときにとても大きなプラスになります。一方で、当然のことではありますが、この恋愛期間で相手が失望してしまうようなことは決してしてはいけません。

 

相手を失望させるようなことをして、たとえその場は何とか切り抜けられたとしても、このジャッジタイムのときにマイナスの証拠資料として並べられてしまうのです。恋愛期間に何かをやらかして、「その場は許された」と安心するのは禁物です。

 

恋愛期間はまだ脳内物質がたくさん出ているタイミングですので許されるかもしれませんが、冷静になった途端、その十字架は重くのしかかってきます。最後に心がけておくべきことは、積極的に触れ合う事です。先ほどもご紹介したとおり、最高の愛のホルモンであるオキシトシンは触れ合うことで放出されます。

 

そして、オキシトシンの放出サイクルが回る限り、二人の恋愛は続きます。私はこのオキシトシン放出のサイクルが止まることなく回っている状態が「永遠の愛」なのだと考えています。この広い星の中で、せっかく好きになれる最高のパートナーを見つけたのですからお互いたくさん触れ合うことで永遠の愛をつかんでみてはいかがでしょうか?