うつ病への対応。職場・家族・友達・恋人別に紹介します。

うつ病は体力を消耗させる疾患の一つです。うつ病になると気分の落ち込みが何週間も何カ月も続き、自分はダメな人間だと思い込んでしまいます。何をする気にもなれず、布団から出られない人もいます。

 

人によっては、イライラして周りに当たって一緒に暮らす家族を傷つけてしまうこともあります。うつ病になると意欲や集中力が低下するので、怠けていると誤解されがちですが、決して怠けているわけではありません。

 

うつ病を発症すると、倦怠感や食欲不振などの身体症状が現れることがあります。

 

うつ病は心の風邪とも言われ、早いタイミングで適切な治療を受ければ症状は軽減されます。風邪と同じように、こじらせてしまうと重症化することがあるので、周囲の人がどう対応するかはとても大切です。今回はうつ病の人へのより良い対応方法をご説明します。

 

基本的なうつ病への対応方針

風邪かなと思ったら、早めに仕事を切り上げて、栄養のあるものを食べ、早めに寝るのが効果的です。風邪も軽いうちは気合で治せますが、熱が出たり、咳が止まらなくなったら無理をせずに薬を飲んだ方が早くよくなります。

 

うつ病も疾患の一つですから、十分な休息や栄養のある食事は症状の改善に効果があります。集中力が欠け、やる気が出ないのは、疲れがたまっている証拠かもしれません。症状がひどくなったら、気合では治りません。

 

病院に行って、適切な治療を受け、処方された薬を飲んで、十分な休養と栄養のある食事を取るのが回復への早道です。医師のような専門的な知識もないのに思い付きであれこれ助言するのは、うつ病の人に負担をかけるだけですので、注意しましょう。

 

職場での対応~同僚

専門の訓練を受けているわけでもないのに、頻繁にうつ病の同僚の相談に乗るのは危険です。うつ病を患っている時は、気持ちが不安定で、ネガティブ思考になっているからです。

 

慰めたり励ましたりしたつもりが、うつ病の同僚にはプレッシャーになり、いじめられていると感じさせてしまうこともあります。相談に乗るのはあくまで業務の範囲にとどめ、病気のことについては担当医師に任せましょう。

 

うつ病の同僚と親しくしていると、上司やほかの同僚からうつ病の同僚の世話係にされてしまうことがあります。

 

うつ病になると業務を上手にこなせなくなり、対人関係にも問題を抱えることが多いので、うつ病の同僚への不満や改善要求などをほかの同僚から延々と聞かされ、それでもうつ病の同僚の言動に改善が見られないと、うつ病の同僚をかばっている人にみんなの怒りの矛先が向けられることがあります。

 

うつ病になっている同僚はかわいそうですが、過度の責任感や感情移入でお世話係を続けてしまうと、自分もうつ病になってしまうリスクがあります。職場の同僚がうつ病の場合、ある程度、感情的な距離を置いてフォローするほうが、長い目で見ると相手のためになります。

 

職場での対応~部下

部下の誰かがうつ病のために、業務に支障が出ている場合は、そのことをチームのみんなに知らせることが有効です。理由がわからないと、うつ病の人は怠けているとか、性格に問題があると勘違いされ、職場内でのいじめを引き起こしてしまうかもしれません。

 

うつ病の人は時に集中力が低下して、仕事を効率よくこなせないこともあります。その人のためにチーム全体で納期に間に合わないといったことを起こさないために、進捗状況をちょくちょく確認し、業務の割り振りを調整する必要もあります。

 

同じ給料をもらっているのであれば、みなが同じ業務をこなすのが望ましいですが、部下にどう仕事を割り振るかの裁量権は上司にあります。

 

部下はうつ病の人一人だけではないので、上司としてほかの部下の必要も考えなければなりません。うつ病ではない部下たちから不平不満が出るのは当たり前ですから、それらの人の話にもよく耳を傾け、不満を吸収してあげましょう。

 

うつ病が悪化している場合は、長期休暇を取れるように会社に要請したり、解雇や移動などの対応が必要になる場合もあります。会社の人事担当部署にも状況を適宜報告し、指示を受けましょう。

 

家族との対応~子ども

思春期の子どもは体の各部門が急に成長します。性腺刺激ホルモンが分泌され始め、男の子はひげが生え始め、女の子は胸がふくらみ柔らかい体型へと変化していきます。

 

体のすべての部分が同時にゆっくり成長すれば問題ないのですが、現実は急に成長するところと後からゆっくり成長するところとがあり、思春期は気分に影響を与えやすいホルモンのバランスも乱れがちです。

 

中学高校時代は、定期試験や受験などで自分の能力を客観的に評価されるようになり、親や友達との対人関係などでも悩みが尽きない上、ストレス耐性も発達途中です。青春真っ只中、楽しいことだらけのはずの10代でうつ病になる子どもも多くいると言われています。

 

未成年の子どもは自分の感情を上手に表現することができません。うつ病であることに気づかない子どももいますから、子どもの話すことや行動を親がよく見守り、普段と違う言動に早めに気が付くのは大切です。

 

自殺をほのめかすような言葉を冗談だと聞き流してはいけません。思春期の子どもは衝動で行動してしまうことがよくあるからです。ほかの病気と同じように早めに医師の診察を受けましょう。

 

うつ病になると、孤独感や自分には価値がないという気持ちが続くので、大きくなっていても時々抱きしめて「大好きだよ」「〇〇ちゃんはママの宝物だよ」など愛情のこもった言葉をかけるのは効果的です。

 

子どもと一緒に買い物に出かけたり、家の用事を手伝ってもらいながら何気ない会話をしていると、子どもが本心を話してくれることもあります。子どもが話し始めたら、よく耳を傾けてください。

 

家族との対応~夫

 

日本では夫が一家の稼ぎ頭であることが多いため、夫が病気になり働けなくなると家族への影響は大きいです。それでもうまくやっていける夫婦は病気を病人一人の問題ではなく、夫婦二人の問題ととらえ、チームとして病気とも向き合っています。

 

現実を受け入れ、できないことはあきらめ、感謝の言葉を頻繁に口にします。うつ病の人は心にもないことを口走ることがあります。うつ病の人とずっと一緒にいると、介護する側も気持ちが滅入ってしまうことは珍しくありません。

 

信頼できる友達に自分の気持ちを聞いてもらい、自分のためにもリラックスできる時間を確保することは大切です。

 

家族との対応~親

親が病気になるのを見るのはつらいものです。また、うつ病は遺伝するとも言われ、親がうつ病を発症すると自分もいつかうつ病を発症するのではないかと不安になるかもしれません。病気になるとできることが限られてきますから、うつ病の親も子どもからの支えをありがたく感じることでしょう。

 

同居しているならば、買い物や掃除などを意識して手伝えるかもしれません。実家から遠いところに住んでいる場合、仕事を辞めて実家に戻ってくるのは難しいこともあります。親が国民年金か共済年金にきちんと加入しているのであれば、障害年金を受給できることがあります。

 

手続きが多少複雑ですので、帰省した時に障害年金の手続きを手伝ってあげると喜ばれることでしょう。うつ病になると自分には価値がないという思いに悩まされるものなので、時々電話をして、親が今までしてくれたことにどれだけ感謝しているかを伝えましょう。

 

恋人との対応

最近、社員を使い捨てるブラック企業のことが話題として取り上げられるようになってきました。責任感があってまじめな男性の中にはブラック企業で酷使されているうちにうつ病を発症し、発症したことにも気が付かずに症状を悪化させていく人もいます。

 

自分の恋人がうつ病になってしまったらどう対応したら良いのでしょうか。

 

まず第一に、愛さえあれば彼を変えられるとは思わないことです。愛には人や状況を変える力はありますが、即効性のある万能薬ではないからです。うつ病は回復するまでに年単位の時間が必要で、症状が悪化すると就労することもできません。

 

うつ病の人と付き合い続けて結婚した場合、一家の生活費を稼ぐことと家事全般を自分がすべてこなさなければいけないことを覚悟しておきましょう。うつ病の症状が重く出てしまうと、まるで別人のように話したり、行動することがあります。

 

大好きな彼が口にするとは信じられないようなひどい言葉を浴びせられたり、暴力を振るわれることもあります。うつ病の人の世話を続けているうちにストレスや疲労がたまり、自分もうつ病を発症する危険もあります。

 

一番良いのは、恋人がうつ病になる前に気づいてあげることです。ブラック企業でうつ病になる人は働き過ぎが原因であることが多いです。毎日深夜まで残業し、休日出勤が当たり前で1カ月に1度デートする時間も確保できないのであれば、ブラック企業で働いている可能性は大きいです。

 

就労時間や職場環境を上手に聞き出して、いたわってあげましょう。一般に男性は女性から説教を受けることを望みません。

 

相手を非難しないように慎重に言葉を選びながら、現在の仕事を続けることの危険に自分で気が付けるように話を持っていくのが効果的です。以前に比べて極端に痩せてきたとか、顔色が悪いと思えることも話すと良いでしょう。

 

友達との対応

 

 

うつ病の症状が出ると人格が変わります。友達のことは何でも知っていると思いがちですが、うつ病になった友達は、うつ病になる前なら考えられないような言動をすることがあります。〇〇ちゃんはこうしたら喜ぶはずだと決めつけると相手はもっと苦しくなってしまうのです。

 

友達がうつ病になってしまったら、治療法や対処法についてアドバイスをするのではなく、まず友達の話をじっくり聞いてあげましょう。特別なことを言ったり、してあげる必要はありません。ただ黙ってそばにいて、うなづきながら話を聞いてあげるだけでも友達の支えになってあげられます。

 

【まとめ】うつ病の人を助けるのは思いやり

うつ病はつらい病気です。回復には何年もかかることもあります。あれこれアドバイスをするより、そばにいて思いやりをもって接することが大切です。